2020年05月18日

後漢 張衡の地震計 知覚できないレベルの揺れさえ検出することができた地震計の仕組み

 では、張衡の地震計とはどのような装置だったのでしょうか。『中国の科学と文明〈第1巻 序篇〉 - ジョゼフ ニーダム, 護, 砺波, 繁, 脇本, 二郎, 杉山, 勝美, 田辺』から引用します。

それは「精製した青銅」の、酒がめによく似た直径180センチの容器で、円屋根のようなフタがついている。外部の表面は山、亀、鳥、獣、あるいは古代の文字などで装飾がほどこされている。容器の周囲には8匹の竜の頭が等間隔に付き、それぞれの口に青銅の球をくわえている。球は竜の口が開いたり押されたりすると、外に落ちるようになっている。 容器の基部を取り囲んで、竜に相対した8匹のガマ蛙が座り、口を大きく開けて上を見あげている。それらは竜の口の真下に位置し、球が落ちるのを待ち受けている。青銅の球が蛙の口に落ちれば、大きな音をたてるにちがいない。


 また、次のようにも記されている。「内部には中心柱があり、それが8つの方向の軌道に沿って横に変位することができ、閉じたり開いたりする機構を操作できる仕掛けになっていた」。この「中心柱」は明らかに一種の振子である。大地の揺れが生じると、それが動いて球が落ちたのだろう。球が落ちるとすぐに、機構はそれ以上働かなくなり、2番目の揺れですべての球が落ちるのを防いだので、装置の目的が果たせなくなることはなかった。


 球が落ちた方向が、地震の発生した方向でした。その精度の高さは驚くほどのものだったと伝えられます。揺れが感じられないのに球が落ちたことがあり、誰もが訝しんでいたところ、数日後に隴西から地震発生が報告されたことがあるほどでした。

 その後も地震計は使われ続けたのですが、元の時代に失われてしまいました。現代になって張衡の功績が見直され、日本の今村明恒、石本巳四雄らの活躍もあって復元されています。その復元によると、中心柱は倒立振子で、最初の揺れで倒れることで、振れて180度反対側の球を落とすことが無かったとされています。真実は不明にしても、技術と知識の粋を集めたものだったことは間違いないでしょう。

 地震のことはこれで終わることとし、歴史の流れに戻りましょう。

中国の科学と文明〈第1巻 序篇〉 - ジョゼフ ニーダム, 護, 砺波, 繁, 脇本, 二郎, 杉山, 勝美, 田辺
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posted by 仲井 智史 at 12:00| Comment(0) | 後漢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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