2020年01月05日

ミイラ 現代のミイラ2 王朝を樹立した王の遺体もまた、聖なるものとしてミイラ化されることがある 宗教を否定したレーニンの防腐処理されたミイラ

 偉大な王の遺体やその一部がミイラ化されることも、極めて宗教的です。後継者たちは偉大な先達の威厳を借りようとしたり、民衆の素朴な信仰心を統治に利用しようとしたのでしょう。例えばハンガリーの初代国王イシュトヴァーン1世の右手のミイラは今もイシュトヴァーン大聖堂に残っています。私は訪れたことがありますが、残念ながら当時はその事実を知らず、目にしませんでした。

 王朝とは異なりますが、レーニンの遺体は防腐処理されて今も生前の姿を留めています。皮膚のほとんどはパラフィンやグリセリンで置換されているので、レーニンの遺体はこれから先もかなり長い期間、生前の姿を遺し続けることでしょう。

 マルクスは「宗教は阿片」と主張し、レーニンは宗教を弾圧しました。しかし、それでもレーニンの遺体がこのような宗教的扱いを受けているのは、共産主義の矛盾と皮肉が垣間見えるように思います。あるいは、ヒトの信仰心はかくも根強いものである、といったところでしょうか。

 ちなみに、スターリンの遺体も防腐処理されていますが、既に埋葬されていますのでその姿を目にする機会はなさそうです。

 宗教とは相反するような分野でも、ミイラが崇拝されることがあります。その代表的なものは、ガリレオ・ガリレイの右手中指でしょう。フィレンツェのガリレオ博物館は今もガリレオの指を展示しています。

 ガリレオの死の95年後、熱烈なファンというアントン・フランチェスコ・ゴーリなる人物が墓を開き、ガリレオの右手から望遠鏡を覗くのに使っていたと彼が信じた親指、人差指、中指の3本を切断してしまいます。

 著名な科学者の遺体に特別な価値を見出すことほど、科学と縁遠い行為もそうそう無いように思うのですが、如何でしょうか。

 ともあれ、ミイラには今も人を惹きつけてやまないものがあります。歴史と文化と人々の願いを背負ったミイラを一度に見る機会など、そうそうありません。もし私の記事で少しでもミイラに興味を持たれたのなら、ぜひ今回のミイラ展をご覧になってみてください。


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posted by 仲井 智史 at 12:00| Comment(0) | ミイラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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