2019年12月09日

ミイラ ミイラの価値が下がったら? 迷信で病気に効くとされたため、ミイラは粉末にされ、薬にされたこともある

 ミイラそのものの価値も高いのですが、その遺品から、5000年前の暮らしの模様を知ることができたことから、史料的な価値が極めて高いものです。『5000年前の男―解明された凍結ミイラの謎』が詳しいので、興味のある方はぜひご覧になってください。

 天然ミイラはそれはそれで史料価値が高いわけですが、人造ミイラにはまた別の価値があります。人は死後の生を願ったり、あるいは死者の霊的な力を利用する目的(祭祀も含みます)でミイラを作ってきました。ですから、その地域の文化が色濃く反映されているのです。特に、遺族がミイラに期待するものの大きさは察するにあまりあります。

 しかし、ミイラとなった者の親族や子孫が絶えてしまったり、文化の担い手が変わってしまったり、あるいは文化そのものが大きく変化したりすると、ミイラへの敬意も失われていきます。

 その極端な例として、ミイラの粉末は薬として、後には燃料として使われました。ミイラの粉末なる薬は大変な人気を誇り、品切れとなってしまったために、悪徳商人は急遽粗製乱造のミイラを作って売り捌いたと言われます。それでも足りずに、ネコのミイラまでも薬として輸出したそうです。

 ミイラは薬品として扱われる際には、瀝青の多寡が品質を左右すると考えられていたそうです。瀝青とは炭化水素からなる化合物のことで、アスファルトやコールタールなどが含まれるものです。その含有量が多くなっても、私にはちっとも健康に良い影響を与えるようには思えないのですが……。

 特に心配なのは、瀝青ではなく病原体です。ミイラは突き詰めてしまえば人間の死体ですから、それを粉末にしようと、同じ人間に感染可能な細菌やウイルスといった病原体は残っている場合があります。服用した人は体に良かれと思っていたのでしょうが、却って健康を損ねることになった事例もあるそうです。

 そうした影響もあって、ミイラは薬として使われることは減り、代わりに燃料として利用されるようになっていったとのことです。随分と極端な変貌を遂げましたね。


5000年前の男―解明された凍結ミイラの謎
5000年前の男―解明された凍結ミイラの謎


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posted by 仲井 智史 at 12:33| Comment(0) | ミイラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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