2019年01月23日

秦 2世皇帝を諌めた数少ない例外の優旃 当意即妙の諫言で、始皇帝も2世皇帝も諌めた役者

 王族は一連の粛清で震え上がり、臣下は諌めようものなら処刑されるため敢えて諫言するような者は居なくなりました。これでは、裸の王様を生むだけです。苦労知らずのボンボンが絶大な権力を握り、しかも無知であるというのは考えうる最悪の事態のように思います。

 2世皇帝を諌めることができた数少ない例外に、史記滑稽列伝に見える優旃という者がいます。

 「優」は姓ではなく、役者の意味ですから、「役者の旃」くらいの意味ですね。

 彼は2世皇帝が城壁に漆を塗りたいと言い出すと、「大変結構ですな。陛下がおっしゃらずとも、私からお願いしようと思っておりました。城壁に漆を塗るのは下民にすれば経費がかかるでしょうが、それでも良いものでございますからなあ。賊がやってきても、城壁が漆で滑って登れない、というものでしょう。さっそく仕事に取り掛かるべきかと思いますが、はて、陰干しするための部屋はいかが致しましょうか」と、冗談めかしながらも皇帝の提案が現実味のない妄想であると悟らせたのです。

 2世皇帝は笑い、漆が塗られることはありませんでした。

 この優旃は始皇帝の時にも機転を利かせてさりげなく主君を諌めることに成功しています。

 雨の日に始皇帝たちが宴会しているところに居合わせた優旃は、外に侍る護衛の兵士たちに何か聞かれたら「はい」と答えるように指示を出します。彼が「外の護衛官たち!」と呼びかけると、兵士たちは言われた通り「はい」と答えました。優旃は「おまえたちは背が高いが、雨の中に突っ立っているのが仕事だ。俺は小柄だがありがたいことに休憩してるぞ!」と叫びました。始皇帝は兵士たちを半分に分け、交互に休憩を取らせたそうです。

 これも、「陛下、外の兵士たちを休ませてあげてください」などと言おうものなら説得が失敗していたででしょう。

 また、始皇帝が猟場を広げようとすると「結構でございますな。敵がやってきても、シカがその角で追い払ってくれることでありましょう」と言って諦めさせてもいます。


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posted by 仲井 智史 at 12:00| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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