2017年12月23日

ブックガイド33 子宮頸がんワクチンに要らぬ心配を抱かないために

薬害でっちあげ あまりに非科学的な子宮頸がんワクチン阻止運動―新潮45eBooklet -
薬害でっちあげ あまりに非科学的な子宮頸がんワクチン阻止運動―新潮45eBooklet -


 ここまで私の文章を読んできた方は、こんな門外漢が好き勝手なことを書き散らかしているけど、とても安心などできないと思われるかもしれません。震える少女たちを見て、あるいは能力を失った少女たちを見て、とても安心できないと思われるかもしれません。

 未だ心配を抱えるそんな方にこそぜひ読んで頂きたいのが、ジャーナリストたちがただ危険を煽るだけで冷静な報道を放棄する中、最前線で反ワクチン派と戦ってきた村中璃子さんによるこちらの本です。

 なぜ子宮頸がんワクチンが必要なのか、副反応とされているのはどのような現象で、それは本当にワクチンの影響なのかが簡潔にまとめられていますので、一冊読むだけでこの問題の全体像を把握することができます。また、副反応の原因がワクチンであると唱える専門家たちがおよそまともな証拠を持たないという唖然とする状況も明かされています。

 子宮頸がんワクチンの副反応に医学的な根拠があるとする人々の出した証拠はどうみても薄弱で、それを著者が捏造であると指摘すると、名誉棄損で裁判に訴えるという科学とはかけ離れたやり口にも愕然とさせられ、反ワクチン派の非科学性は肌に粟を生じさせるほどです。

 また、本来なら死者を防ぐために正しい情報を広めていかなければならないはずなのに、報道機関はセンセーショナルな記事にばかり飛びついていたことも問題です。本書では「牛田班(※引用者注:厚労省の研究班の1つ)は、子宮頸がんワクチン導入以前から原因不明の長引く痛みを訴える子供が多数いることなどを紹介したが、メディアは注目しなかった」と指摘されています。

 名古屋市の行った調査では、副反応が多いとの結果がでる類の調査を行ったのですが、「にもかかわらず、むしろワクチン接種群に低い(※引用者注:発症率)と出た結果は、子宮頸がんワクチン接種と24症状の間に薬害と呼べるような因果関係がないことを意味する」という結果でした。

 現時点で子宮頸がんワクチンを副反応の多い危険なものだと考える理由は存在しません。一方、ワクチン接種を受けないことは、有意に子宮頸がんで死亡するリスクを抱えることになります。子宮頸がんワクチンが仮に多くの死を防げるとしても、副作用が恐ろしいから周囲には勧められないという方はぜひ手に取ってください。

 最後に、著者は決して副反応に苦しむ少女たちを仮病扱いなどせず、むしろ一番の被害者は彼女たちだとして寄り添う姿勢を示しています。彼女たちを利用するだけ利用して、更に多くの死者を生み出す反ワクチン派と、どちらに人間味があるのか、考える機会にもなると思います。

 値段も手ごろなものですから、少しでも興味がある方はぜひ、手に取ってみてください。
posted by 仲井 智史 at 06:00| Comment(0) | ブックガイド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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