2017年06月19日

キリスト教の成立 崩壊への序曲2 ヨセフスの抗戦虚しくゲリラ戦部隊は敗北、ローマ軍がエルサレムに迫る

 呑気に主導権争いを繰り広げるユダヤ人の前に、ウェスパシアヌスとその子ティトゥスの率いる6万の大軍が攻め寄せます。ユダヤ側はゲリラ戦でローマ軍を翻弄、47日に渡って軍を釘付けにします。ゲリラ戦の指揮官だったのが、後に歴史家として知られることになるヨセフス・フラウィウスです。

 ヨセフスの作戦は巧妙でしたが、衆寡敵せず、ローマはヨセフスの部隊を打ち破ります。ヨセフスは逃亡して洞窟に身を隠します。ところがこの洞窟には既に40人の長老たちが立てこもっていました。いよいよ洞窟がローマ軍に発見されると、ヨセフスは降伏を主張します。しかし、長老たちは自決を唱え、くじ引きによって死ぬ順を決めます。次に死ぬ者が、前の者を殺すという凄惨なくじです。

 くじ引きが進み、次々と長老たちが死んでいきます。そしていよいよ最後の生き残り2名となりました。そのうち1人がヨセフスでした。できすぎているようですが、数学的にはくじをコントロールできる可能性があるとかなんとか。彼は再び降伏を説き、今度は受け入れられます。

 ティトゥスは見事な戦いぶりを見せたヨセフスに感銘を受け、ヨセフスの安全は保障されました。そしてウェスパシアヌスに目通りしたヨセフスは、ウェスパシアヌスがネロの次の帝位につくことを予言した、とされています。もっとも、そう言っているのはヨセフス本人ですので、どこまで本当なのかは分かりません。既に見た通り、少なくともネロの次の皇帝はガルバですので、正確に言えば予言は外れたわけですが。

 ともかく、ヨセフスはエルサレム包囲に向かうローマ軍に従います。

 エルサレムまでは何の障害もありません。ローマ軍はたちまちエルサレムを包囲します。こうなっては、弱小国家に過ぎないユダヤに勝機はありません。ヨセフスは何度も同胞に降伏するよう説きますが、ユダヤ人は絶望的な状況でも降伏を肯んじませんでした。

 もっとも、全ユダヤ人が不利も顧みずにエルサレムに籠城したわけではなく、ユダヤ北部からはアグリッパ2世率いるユダヤ人部隊がローマに合流していますし、コルブロの麾下で鍛えられた高級士官ユリウス・アレクサンドロスらが幕僚に連なっています。また、穏健派は敗戦を悟って街を出ていますから、エルサレムに残り続けたのは原理主義的な傾向を持つ人々だと言えるでしょう。


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posted by 仲井 智史 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | キリスト教の成立 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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