2017年05月08日

キリスト教の成立 呪われた夜2 裁判の場でイエスが「お前はメシアか」と聞かれ「そうだ」と言ったのは誰が記録したのか?

 この裁判の場にペトロは潜入しようとしますが、屋敷の者にイエスの仲間ではないかと問われます。そして、イエスの予言通り、彼は3回に渡ってイエスを知らないと言ってしまうのでした。

ユダヤの法律に基づいて裁判が行われた結果、イエスには死刑が宣告され、十字架にかけるためにローマに引き渡されたとする福音書の記述もありますが、夜に法廷が開かれることは認められません。また、イエスが捕まったのは過ぎ越しの祭の前日である安息日の夜とされますが、過ぎ越しの祭や安息日にも法廷が開かれることはありません。トーラーでそう決められているのです。他にも伝統を無視した進め方があるため、カイアファ邸中庭における法廷劇は事実ではない可能性が極めて高いと言えるでしょう。ということは、ペトロの否認もフィクションということです。

 或いは、法廷は開かれたが非公式なものだったのかも知れません。そこで死刑が宣告されたところまでは事実かもしれません。しかし、裁判模様はフィクションでしょう。なにせ、カイアファ邸には反イエスのごく少数の人間しか居なかったはずです。尋問の過程でイエスは「お前はメシアか?」と聞かれ、「その通りだ」と答えたとありますが、一体誰がそれを記録するというのでしょうか?記録されていたとして、誰がそれを利用できたのでしょうか?

 秦の始皇帝の下で宰相を務め、後に酸鼻を極める方法で処刑された李斯が獄中から2世皇帝に充てた手紙なるものを司馬遷が記録しています。名文と讃えられるこの手紙は奸臣趙高の手に落ち、握り潰されてしまって皇帝には届きません。どうして趙高がに握り潰された手紙の内容を他人が知りうるのでしょうか?勿論、李斯の手紙なるものは偽物です。同様に、法定模様もまたフィクションなのです。

 そもそも、最後の晩餐、信徒たちの足の洗浄、オリーブ山に向かい、ゲッセマネの園で祈り、ろくに眠れないという弟子を叱責、逮捕、裁判が一晩で起こるというのは幾らなんでも不自然です。物語を盛り上げるために、少々詰め込みすぎた感がありますね。これもまた、広く知られる物語の全てが事実であるわけではない証拠となります。



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posted by 仲井 智史 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | キリスト教の成立 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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