2017年04月17日

キリスト教の成立 イエスの誕生5 ヘロデの幼児虐殺命令はモーゼをなぞったフィクション

 ベツレヘム生まれが創作ですから、新たな王がベツレヘムに生まれたと聞いたヘロデが2歳以下の幼児を殺す布告を出したため、両親はイエスを連れてエジプトに逃げたという物語も創作です。そもそも、ヘロデが幼児虐殺命令を出した証拠は残っていません。彼を散々にこき下ろす歴史家ヨセフスも触れていませんから、事実と考えるべきではないのです。勿論、宿屋がいっぱいだったために已む無く宿泊した馬小屋で産気づいたという話もフィクションです。

 なぜエジプトに逃げたという物語を作ったのかといえば、モーゼの再来と感じさせるためです。モーゼと結びつけられているのは、そもそもの殺害命令からしてそうでしょう。モーゼもまた、エジプトのファラオが出した幼児殺害命令から生き延びた人物でした。この劇的な出来事を自分たちの宗教の開祖にも適用したのでしょう。

 エジプトで発達したキリスト教の一派、コプト教会(現代でも少なくない信者を抱えています)には、このエジプト逃避行のルートの詳細が語り継がれているそうです。彼らが語り継ぐ動機は分かりやすいですね。

 ベツレヘム生まれもエジプト逃亡も事実ではなく、神話に過ぎないのです。

 一方で、このイエス誕生の逸話にそっくりな話があるのも事実です。それは、インドのクリシュナについてのものです。クリシュナは、母のヤショダが夫の税を払うための旅の途中で、羊飼いの飼い葉桶で生まれます。しかも、クリシュナは、幼児殺害の命令から逃れているのです。

 もしかしたら、イエスご幼少のみぎりについての神話を創作した人々は、クリシュナ神話を知っていたのかもしれないと思うと、少なくとも私はワクワクしてきます。

 福音書にかかれていることは、ここで見た通り100%歴史的事実というわけではありません。しかし、だからといって捏造と非難するには当たらないと思います。

 福音書は、信仰を既に抱いている人が己の信仰を確かめるためや、新たな地へ布教に向かう際に携えて行き導師の素晴らしさを伝えるために利用されます。そこに書かれるべきは、客観的な事実ではありません。信者が、自分たちに都合の良い物語を書くので良いのです。ですから、歴史的な事実では無いことが数多書かれているからと言って、著者が嘘つきであると非難するには当たらないでしょう。


面白いと思ったら押して下さると嬉しゅうございます^^

人気ブログランキングへ
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
posted by 仲井 智史 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | キリスト教の成立 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
面白いと思ったら押して下さると嬉しゅうございます^^
人気ブログランキングへブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村