2020年05月09日

後漢 外戚ケ氏の排除 安帝は宦官江京らの力を借りて邪魔になったケ一族を排除する 外戚としては最高級だったケ隲は排除され、絶食して死ぬ

 120年、安帝は息子の劉保を皇太子に立てます。劉保は115年生まれなので、5歳で太子に立てられたことになります。その母は李宮人ですが、息子の立太子を見ることはできませんでした。同じ115年に立后された閻姫は嫉妬深い性格で、李宮人を殺させてしまったためです。

 121年、ケ綏が世を去り、安帝は和熹皇后の諡号を贈って葬りました。しかし、安帝の内心には、ケ綏とその一族に対する恨みがあったようです。

 ケ綏はケ隲と共に安帝を立てたのではありますが、子供の頃から皇帝として何不自由なく育てられれば、よほど自制心がない限りはしっかりした大人に育つ布は難しいでしょう。安帝の粗が見えてくると、ケ綏は済北王と河間王の子を洛陽に集めて教育しました。特に、河間王の子の劉翼がケ綏に気に入られていました。

 安帝の乳母だった王聖は、安帝にケ綏は劉翼を立てようとしていると吹き込んでいました。そのため、ケ綏が死ぬと、安帝は宦官の江京らの力を借りてケ一族の粛清に乗り出しました。

 ケ隲が車騎将軍となって妹のケ綏と共に次の皇帝を決められるほどの力を持ったことは事実です。しかし、ケ隲は封を加増されることを辞退したこともありますので、貪欲な人物ではありませんでした。尚書を学び、経に詳しい楊震を推挙したように、人材の招聘も行っていました。

 ちなみに、楊震は関西の孔子と呼ばれるほど経に明るく、ケ隲に茂才に挙げられてからは荊州刺史や司徒、太尉などの役職を歴任しています。太守を務めている時に賄賂を贈られると受け取りを拒み、「誰も知りませんから」と重ねて進められると「天が知る。地が知る。我が知る。子(きみ)が知る。みんな知っているではないか」と言って、やはり拒否したことで知られます。

 ケ隲は他にも、母の喪に服すのに職を辞した後、復帰する際にはもとの高位に就くことを拒み、独裁はしませんでした。

 それでも、皇帝が滅ぼそうと決意すれば、一族は滅ぼされてしまうものなのです。ケ隲は流刑の途中で絶食して餓死し、その兄弟たちも自殺しました。



面白いと思ったら押して下さると嬉しゅうございます^^

人気ブログランキングへ
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
posted by 仲井 智史 at 12:00| Comment(0) | 後漢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

後漢 張衡 116年に張衡が太史令に着任 青年時代に崔瑗から天文や数学を倣った多才な人物の登場

 後漢の苦境を見抜いたか、烏桓や鮮卑が背いて侵入して郡の兵を破り、南単于もまた背きました。12月には地震が起こり、9の郡国で被害が生じています。ようやく改善が見えてきたのは110年のことで、広く海岸沿いをあらしていた海賊の張伯路を青州刺史が破り、度遼将軍と遼東太守は南匈奴を破っています。

 116年、後漢のみならず、古代中国の科学、技術を語る上で決して外すことのできない人物が太史令に着任します。その人物こそ、張衡です。

 張衡の祖父の張堪は蜀の太守を務めるまで出世したのですが、私財の蓄積に励むことはなく、また張衡の父は早くに亡くなったことから、張衡は苦学したようです。そのような中でも前漢の有名な詩人、司馬相如の詩に親しみ、10歳の頃には詠んだ詩が讃えられるという神童ぶりを発揮しました。

 青年時代は、後漢の多くの若者と同様に洛陽や長安で学びました。この時、崔瑗から天文や数学を習っています。崔瑗の師は班固と共に校書郎に任じられた賈逵(もちろん、三国時代に活躍する同姓同名の人物とは別人です)の弟子ですから、当時の後漢が持っていた天文学や暦学の知識をここで得たようです。

 張衡は太史令となったその年のうちに皇帝に地図を献上しています。この地図には、碁盤目状の目盛りが入れられることで、位置や距離を容易かつ簡易に調べることができるようになりました。張衡は地図作成について著作を残したそうなのですが、残念なことに散逸して残っていません。

 中国では天文現象は地上の政治に対する天の意思を示すものとされましたから、天体観測に多くの労力が割かれたり、暦法の研究に役人が当たったりしました。将に最先端知を学んでいたと言えるでしょう。

 後漢の天文学はかなりの発展を見せており、渾天儀と呼ばれる天体の観測装置が作られていました。張衡は太史令となると、117年に水力渾天儀を作っています。張衡の有名な発明については後に述べることにして、今は歴史の流れに戻りましょう。


面白いと思ったら押して下さると嬉しゅうございます^^

人気ブログランキングへ
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
posted by 仲井 智史 at 12:00| Comment(0) | 後漢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
面白いと思ったら押して下さると嬉しゅうございます^^
人気ブログランキングへブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村