2020年05月05日

後漢 紙の発明者 蔡倫以前に紙は存在したにも関わらず蔡倫が紙の発明者とされる理由について

 ヒントになるのは蔡倫以前に紙は存在していたこと、にも関わらず、書写材料として多く用いられたのは紙ではなかった、ということです。秦の始皇帝が仕事量を重さで量っていたのは木簡や竹簡を前提に考えなければ筋が通りませんし、前漢の皇帝の命令が刻まれた木簡が多数発見されています。ということは、大量生産に適した方法を考え出したのかもしれません。

 製紙の発明者が蔡倫でないなら、なぜ蔡倫の名がそれほどはっきりと記憶されているのかという疑問が湧く。ほかの大発見の経緯を思い起こすと、製紙の技法を完成させたか、商業化に成功したか、そのどちらかが蔡倫の業績だった可能性はあるし、紙を書写媒体にしようと最初に気づいたのが蔡倫だったのではないかと考える一部の史家もいる。初期の態様は包装、とくに薬を包むのに用いられたが、包み紙のなかには文字がかかれているものもあった。「蔡倫紙」は質がよかったのだろうか?用途が広かったのか、それとも値段が安くて入手しやすかったのか?彼の名声の理由はやはり謎である。
(『紙の世界史: PAPER 歴史に突き動かされた技術 - カーランスキー,マーク, Kurlansky,Mark, 智子, 川副』)

 『紙の世界史』が記す通り、蔡倫の貢献の真の意義は分かっていません。前漢で出土する紙が書写材料ではなく、なにか物を包むためのものだったことが謎を解く鍵になりそうです。

 蔡倫の献上より古い時代の紙は、叩いてばらばらにした麻の繊維を布の上で乾かしたものでした。厚く、きめが粗く、凹凸があったそうなので、とても文書に用いることはできなかったのでしょう。服にも用いられたというのですから、その質が窺えようというものです。

 そう考えれば、蔡倫が発明したのは薄く、かつ均一な厚さで紙を作る方法ではないかと思えます。凸凹な面に筆で文字を書くのはさぞ困難なことでしょうから、均一な厚さと考えるのは筋が通っていると思うのですが、皆様は如何でしょうか?

 蔡倫の発明かどうかは置くにせよ、薄く均一な紙はたちまち書写材料の主役の座へ駆け上ります。

紙の世界史: PAPER 歴史に突き動かされた技術 - カーランスキー,マーク, Kurlansky,Mark, 智子, 川副
紙の世界史: PAPER 歴史に突き動かされた技術 - カーランスキー,マーク, Kurlansky,Mark, 智子, 川副


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posted by 仲井 智史 at 12:00| Comment(0) | 後漢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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