2020年01月20日

新 繰り返される貨幣改革 前回の改革からたった2年で貨幣改革を行うが、やはり名目と実質の価値が一致していなかったため、盗鋳が相次ぐ

 後9年には貨幣改革を行います。貨幣改革は、まだ仮皇帝だった2年前に行ったばかりでしたね。高額貨幣として契刀、錯刀などを作ったのでした。名目価値が実質価値を遥かに上回る硬貨の制定は大量の偽貨幣を生んでいたのでしたね。

 今回の貨幣改革では作ったばかりの契刀、錯刀に加えて5銖銭を廃止し、代わりに1銖の小銭を鋳造、大銭と併用させました。契刀、錯刀を廃止したのは、劉氏の「劉」の字に「刀」が含まれていることから漢王朝との関係を切ろうとしたもので、動揺に5銖銭は漢が使っていたことが理由です。

 小銭と大銭の2種になったことで扱いやすくはなったのですが、問題は交換レートです。1銖の小銭50で12銖の大銭と等しいとしたことから、やはり大銭は名目価値が実質価値を大きく上回っていたのです。改革にも関わらず盗鋳が相次いだため、王莽は民間に銅と炭の保有を禁じました。

 ……どう考えても、問題の根本はそこではありませんよね。炭の保有すら禁止された民間こそ良い迷惑です。

 更に翌年の後10年には、またもや貨幣改革が行われます。しかも、今度は金、銀、銅、亀甲、貝の6材料を用いた28種の貨幣を制定、大銭、小銭と合わせて30種類にもなる煩雑さでした。当然、流通しません。民間では5銖銭が使われる始末でした。どう考えても改革は短兵急に過ぎ、失敗するとしか考えられませんね。

 理念が極端に先行していた王莽だけは成功を信じていたのかも知れません。社会が良くなると、固く信じていたのかも知れません。なにせ、古礼に従っているのですから。

 しかし、人は理念で動く生き物ではありませんし、社会ももっとダイナミックに動くものです。結局、王莽の貨幣改革は猛烈なインフレーションを生み、経済は混乱に陥ります。混乱はまた、王莽に対する人々の期待も大いに萎ませることになったのでした。

 貨幣改革と並行して、商工業を抑制する政策も取られます。従来から塩、鉄、酒は国家による専売制が取られていましたが、これに加えて貨幣、銅の採掘、金融などを国家の独占にしました。


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posted by 仲井 智史 at 12:00| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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