2018年05月27日

春秋戦国 墨子8 異彩を放つ、興味深い思想家ではあるのだが、文章が下手すぎるので原典に当たるのは避けた方が良さそう

 墨翟によれば社会秩序が保たれないのは、自分の利益を追求した結果、他人の財なら奪って良いと思うからです。自分と同じように相手を愛する(兼愛)なら、そのようなことは起こりません。小は泥棒から、大は侵略戦争まで、無くなるはずなのです。

 泥棒は悪いことです。殺人は更に悪いことです。では、戦争はもっと悪いと考えるのが筋ではないでしょうか。

 非攻上篇において、盗みの中でも果実を盗むよりブタやイヌを盗むほうが罪が重く、ブタやイヌよりウマやウシを盗むほうが罪が重く、強盗殺人に至れば更に罪は重くなるのに、侵略戦争が非難されないのはおかしい、と説いています。チャップリンが1人殺せば人殺しだが、100万人殺せば英雄である、と皮肉ったのと同じことが、2000年以上前に既に思われていたのですね。

 墨翟はここまで見てきた通り、大変に興味深い人物です。ですが、もし彼について知りたいのであれば、専門家を目指さない方であれば解説書を読むのに留めておいたほうが良いでしょう。

 というのも、文章が下手なのです。『墨子』には少なからぬ書き下し文が載っておりますが、それを読むのも疲れてしまうレベルです。読み下し文だからではないのか?と思われるかも知れませんが、そうではありません。研究者ですらそう思っていることについて同書から引用します。

墨子の文章には、良い意味での遊びの精神も、気の利いた表現もなく、ひたすら生硬な論理だけが延々と述べられる。しかも、論理展開をいささかも省かず、何度でも同じ言い回しを執拗にくり返し、どんなに分かりの悪い相手でもとことん説得しようとするため、読む者をうんざりさせる。


 ここに紹介しているのは墨翟の思想に関するほんの僅かな部分に過ぎませんので、興味を持たれた方にはまず上掲書をお勧めします。


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posted by 仲井 智史 at 12:00| Comment(0) | 春秋戦国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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