2018年05月23日

春秋戦国 墨子4 侵略戦争阻止1 楚が公輸盤の発明した最新兵器・雲梯を用いて宋侵略を企てていると聞き、楚に急行

 墨家の思想の非常に大きな特長を2つ挙げるなら、1つは先述した兼愛で、もう1つは非攻でしょう。

 侵略戦争の反対と聞けば、我々も頷くしかありませんね。実際のところ、現代社会においては日本に限らず、大義名分のない戦争は禁じられています。そういう意味で、憲法9条を改正して自衛隊を軍隊であると現実に即して認めても、日本が戦争を積極的に行うようになるわけではないでしょう。

 さて、古代中国では侵略戦争が制限されていなかったのは事実です。しかし、大義のない戦争は孫武も呉起も止めるべきとしていますから、戦争を仕掛けるにもそれなりの理由が必要とはされていました。

 墨家の場合、非攻には各国の領土保全と周王朝の権威を認めることが含意されています。小国は大国の圧力をはねのけるため、有能な人物を登用し、国力を低下させないようにしなければならないとすることで、尚賢も非攻からでてくるわけです。

 墨翟はただ観念的に戦争は行けないと説くだけではありません。墨翟自身、実際に戦争防止に奔走しています。そして、楚が宋を攻撃しようとするのを諦めさせています。

 公輸盤という人物(孟子によれば魯の公子)が、楚のために雲梯という攻城兵器を開発します。

 楚はこれを受け、宋攻撃を図ります。それを知ると、墨?は斉を発ち、10日間夜を日に継いで楚へ急行して公輸盤に面会を申し込みます。公輸盤が墨?を招き入れると、墨翟は「北方に自分を侮辱する者がいます。大金を積むので、貴方の力でその人物を殺害して欲しい」と願いを述べます。公輸盤が犯罪シンジケートの親玉扱いされて不機嫌になると、墨?は更に十分な報酬を弾むから、と畳み掛けます。

 公輸盤は自分は殺人を働くような人間ではない、と激高しました。しかし、これこそが墨?の狙った言葉だったのです。すかさず、本来話したかったことを話し出します。

 曰く、「あなたが雲梯を開発し、宋を攻撃しようとしていると聞いた。宋には何の罪もない。楚は国土は広いが人口が少ないのに、戦争で更に人を減らすのは愚かなことである。落ち度のない宋を一方的に攻撃するのは仁に欠ける。貴方は先程殺人を働くような人間ではないと言ったが、戦争でより多くの人間を殺そうとしているのだから、同類に過ぎないではないか」――。


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posted by 仲井 智史 at 12:00| Comment(0) | 春秋戦国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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