2018年05月15日

春秋戦国 魏の興隆4 兵士の膿を吸い取る将軍 不敗の名将、呉起の人心掌握術

 ある時、呉起が兵士の膿を吸い出してやると、兵士の母が嘆きました。周囲の者が、「将軍がそれほどまでのことをしてくれたというのに、どうして泣くのか?」と尋ねると、「かつてあの子の父親も、同じように将軍に膿を吸って頂き、感激して戦いが始まると真っ先に敵陣に斬り込んで討ち死にしました。あの子も同じようになってしまうだろうと嘆いているのです」と答えたそうです。

 呉起が兵士を厚く遇するのは、兵士にやる気を出させるパフォーマンスの部分もあったかも知れません。そうだとしても、これ程までに尽くしてくれる上官に信を置き、期待に応えようとするのも人の当たり前の行動なのでしょう。

 西河の太守となってからも、その活躍は留まることを知りません。『孫子・呉子』は異常なまでの強さをこう記します。

果たして、呉起は西河の地を守って奮戦した。主な会戦76回、そのうち64戦は完勝し、あとはすべて引きわけ、つまりまったく無敗であった(但し、漢数字は引用者にてアラビア数字に置き換えた)

 呉起の出仕について文侯と会話を交わした李克も、また一角の人物です。西門豹とともに孔子の弟子の子夏に学びますが、文侯に仕えてからは法を整え、成文法を制定しています。穀物を安い時に買い入れ、高い時に放出することで価格調整を行ってもいます。

 どう見ても、李克は法家に属する振る舞いをしていますね。曾子の弟子の呉起も法家としてのスタイルを持っていましたので、儒家の人物がしっかり国を運用しようとすると法家になるのは面白く感じられます。李克の統治スタイルこそが、後に公孫鞅に引き継がれることになります。

 文侯は李克を信任し、次の大臣を誰にするべきか諮問する程でした。李克は直接答えることはせず、「出仕せずに家に居る時に親しむ相手は誰か、家が豊かなら誰と交際するか、高位にある者ならどのような人物を推挙しているか、追い詰められた状況でも決して行わないことは何か、貧しくても決して受け取らないと決めているものはなにか、こうしたことを見れば人を見分けることができます」と応えました。文侯は何を言わんとしてるかを悟り、次の大臣を決めます。

孫子・呉子 (中国の思想)
孫子・呉子 (中国の思想)


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posted by 仲井 智史 at 12:00| Comment(0) | 春秋戦国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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