2018年05月10日

春秋戦国 豫譲の復讐3 余談・復讐は蜜の味? 西ドイツの法廷で起こった血塗られた復讐劇 恐らく、復讐は何も生まないわけではない

 あるいは、豫譲はただのテロリストではないかと思われるかも知れません。しかし、私は違うと思います。テロリズムは暴力を用いて政治目的を達成するためのものですが、豫譲は晋の政治体制を変えたかったわけではなく、智氏の再興を求めたわけでもなく、単に恩義のある智伯瑶の仇である趙無恤を殺害したいという復讐に燃える男に過ぎなかったわけですから。

 似たような話として私が思い起こすのは、下記のような事件です。

 1981年3月6日、西ドイツでマリアンネという女性がグラボウスキーという男を殺害する事件が起こります。単に殺人というのなら世界中で見られる現象ですが、この事件は一風変わっていました。というのも、事件が起こったのが法定だったからです。

 グラボウスキーは、マリアンネの7歳の娘アンナを強姦し、絞め殺した事件で公判中でした。彼は幼女に対する性的暴行の前科があり、睾丸除去を受けて社会に出ていたのですが、性欲は失っていませんでした。意外なことですが、宦官でも処置後しばらくは性的欲求があるそうなので、これは不思議な事ではないのかも知れません。

 3月3日の第1回公判で、彼はアンナ殺害は認めたものの、遊ぼうとしたら誘拐と騒がれた、自分は前科持ちだから動揺して殺してしまったのだと陳述しています。母親のマリアンネの眼の前で。3月6日の第2回公判の際、マリアンネはグラボウスキーの背後から8発撃って6発命中させ、グラボウスキーは即死しました。

 歴史の流れという話をするのであれば、国家が個人から復讐権を奪うことが先進国では見られる流れです。しかし、私は彼女の行為を歴史の流れに反すると非難する気にはなれません。なんとなれば、私ももし我が子が殺されたなら、同じことをしてやりたいと思うからです。そう思う人は多かったようで、マリアンネの罪を軽くするべきであるとの署名が世界各地から寄せられたそうです。

 豫譲も同じ想いで暗殺未遂事件を起こしたというのなら、その想いを汲んで悪いことはないと思います。ただ、暗殺が失敗したからこそ、その最期が潔いものだったからこそ、豫譲の行動は義挙とされたのかも知れません。


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posted by 仲井 智史 at 12:00| Comment(0) | 春秋戦国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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