2018年05月09日

春秋戦国 豫譲の復讐2 寝首を掻くことを嫌った豫譲の暗殺の失敗と、その潔い最期

 友人は豫譲に、お前の能力であれば趙無恤は召し抱えてくれるだろうから、その上で側に近づけばもっと楽に目的を達成できるのではないか、と人でなしな提案をします。しかし、豫譲は二心を抱きながら誰かに仕えることなどできないと、きっぱり拒絶します。そして「なるほどおれのやっているのはひどく苦しいことではあるさ。だがこうするのは、天下後世の臣下として二心をいだいて主君に仕える者どもに、恥ずることをおしえてやるためだ」(『史記列伝 2 』刺客列伝)と言うと立ち去りました。

 暫くして、豫譲は趙無恤が外出するとの情報を掴みます。豫譲は橋の下に潜みました。ところが、異常な雰囲気を察知したのか、橋に差し掛かったところで趙無恤のウマが騒ぎます。趙無恤は豫譲が居るに違いないと辺りを捜索させました。豫譲は捕まり、趙無恤の前に引き出されます。

 趙無恤は流石に怒り、「お前はかつて范氏、中行氏に仕えていたが、智伯瑶がそれを滅ぼした時には敵討ちなどしようとせず智伯瑶に仕えたではないか。その智伯も死んだというのに、なぜ執拗に仇を討とうとするのだ」と豫譲のダブルスタンダードを非難しました。

 豫譲は、「范氏、中行氏は自分を並の臣下として扱ったから、自分も並の臣下として応えました。智伯様は私を国士として扱ってくださった。だから国士として恩に報いようとしているのです」と応えます。

 筋が通っていますね。自分の力を認め、頼りにしてくれる人には応えたくなりますから。

 趙無恤は涙を流しながら、「お前の忠義は十分に示された。予は既に一度、そなたを許しているが、もう許すことはできない」と言い、兵士に命じて豫譲を取り囲ませました。

 豫譲は以前の恩を謝し、自分の罪が死に値するものであることを認めます。その上で、趙無恤に上着を下賜して頂ければ、それを叩き切って敵討ちに替えさせて欲しいと頼み込みます。豫譲の言葉に感じ入った趙無恤は上着を与えました。豫譲は3度、躍りかかって上着を切りつけ、「これで地下の智伯様にご報告できる」と叫ぶと、自らを刺して自害しました。

 趙の心ある男たちは彼の義挙に涙を流したと伝えられます。

史記列伝 2 (岩波文庫 青 214-2)
史記列伝 2 (岩波文庫 青 214-2)


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posted by 仲井 智史 at 12:00| Comment(0) | 春秋戦国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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