2018年05月03日

春秋戦国 春秋戦国という時代7 富国強兵の手段としての中央集権化は死生観にも影響を与え、死後の世界も官僚制となる

当初は貴族だけが「魯人」などと意識された段階から、国内部の周辺貴族と殷系庶民の一体化、国と野の人々の一体化が進み、春秋時代後期にはその領域内の人はすべて同じ魯の民であると自己認識するまでになった。


 どのような人間集団が生き残りやすいかをシミュレートすると、仲間には親切で仲間以外には排外的となるそうで、その仲間の範囲を国に広げれば排外的国家主義が出来上がるわけです。となれば、更に熾烈な戦争が繰り広げられるようになっても不思議はありません。

 戦国時代以降、強国は中央集権を強めて行きます。面白いのは、現実社会の官僚化が、死後の世界についての観念にも大きな影響を与えたことです。

 すなわち、西周時代は死ねば天に昇ると考えられていたものが、死後の世界も官僚制度を持つようになっていくのです。『地下からの贈り物―新出土資料が語るいにしえの中国』に、甘粛省天水放馬灘から出土した前3世紀の『志怪故事』に収められた物語が紹介されているので、引用します。

丹と呼ばれる者が傷害事件を起こして自殺した後、蘇生するという話が語られている。彼が蘇ることができたのは、彼の主人である将軍が司命神(寿命を司る神)に掛け合って、まだ死ぬ寿命になっていないと主張したからであった。そこで司命神は「司命吏」という職名を持つ属官に命じて丹を掘り出して蘇生させるのだが、そこから地上の官僚機構は冥界の官僚機構とコンタクトをとることが可能であり、後者は上司―部下から構成されているというイメージを読み取ることができる。


 戦国末期には法家、名家、道家といった勢力の影響を受け、徐々に完成されていきます。

 死後の世界への官僚制のイメージは強く残っていることを明確に示す 告知策と呼ばれる文書も出土しています。地上の官僚が冥界の官僚へ、これこれこうした者がそちらに行くので宜しく計らいください、とまるで人事異動でもあるように伝える文書です。

地下からの贈り物―新出土資料が語るいにしえの中国 (東方選書)
地下からの贈り物―新出土資料が語るいにしえの中国 (東方選書)


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ラベル:春秋時代 中国
posted by 仲井 智史 at 12:00| Comment(0) | 春秋戦国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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