2017年09月01日

ローマ3 トラクス3 トラクスは補給に苦しんだため兵士に殺され、元老院選出の2名は仲間割れで殺される

 おまけに、同じ理由でマクシミヌスはローマで補給に苦しみます。

 城攻めに手間取っている間に、反乱不満を抱いた兵士たちがマクシミヌスを暗殺してしまいました。その首は元老院に送られ、テヴェレ川へと投げ込まれました。

 彼の時代以降、ディオクレティアヌスが安定を取り戻すまでを軍人皇帝時代と呼び、ここからはいちいち名前を書いてもどうしようもないほど短命な皇帝が軍に擁立されては消える繰り返しです。帝位を僭称した者まで合わせればとても全員を書くことはできませんので、触りだけで済ませることにします。じゃあなんで4皇帝の年も5皇帝の年ももっと詳しく書いたのだと問われるかもしれませんが、私の興味の有無です、申し訳ありません。

 マクシミヌスが片付いたのですから、マクシミヌスとバルビヌスで栄光を分け合えば良いと言うのに、彼らがやったことと言えば内紛でした。軍人と貴族が、互いの相違点を貶しあい、至高の座を分け合うことを拒否したのです。

 結局、内輪もめに嫌気のさした親衛隊が両名を殺害して死体を川に遺棄するという画期的かつ斬新な解決方法により、永遠に喧嘩を止めさせました。

 ゴルディアス親子、マクシミヌス、マクシミヌスとバルビヌスが死に、ゴルディアス1世の孫のゴルディアス3世が即位します。こうして238年は6皇帝の年と呼ばれることになりました。

 4皇帝の年、5皇帝の年、6皇帝の年と来たのだから、数学的帰納法により次は7皇帝の年であろうと推測される賢明なる諸兄もいらっしゃるかとは思いますが、残念ながら完全数である6(その数自身以外の約数の和がその数自身と等しい、この場合は1,2,3で和は6)の次は一気に30皇帝の年まで飛ぶことになります。

 ギリシアで流行った数秘術はここまでにしておきましょう。

 ゴルディアス3世は、血統でいえば名門でしたね。父方の祖母はマルクス帝の共治帝だったルキウス帝の姉に行き着きます。ゴルディアス1世が反乱を起こすや元老院が皇帝と認め、今またゴルディアス3世を担いだ背景には、こうした血筋があったわけです。


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2017年09月02日

ローマ3 ペルシア1 アケメネス朝以来のペルシア系国家、ササン朝の成立

 とはいえ、ゴルディアス3世は223年生まれとのことですから、238年ではたかだか15歳のお子様に過ぎません。こんな年の子どもが擁立される時には、必ずその背後に居る有力者が権力を握ります。この場合は、まずは元老院がその任に当たりましたが、3世が結婚すると舅に当たる新任の親衛隊長ティメシテウスが実権を握ります。

 若い皇帝の治世は安泰とはなりませんでした。東方で、積年のライバルだったパルティアを滅ぼしたササン朝ペルシアが、ローマ国境を侵したのです。

 少々脇道に逸れることになりますが、ここでササン朝ペルシアについて触れておきましょう。

 ササン朝ペルシア建国の英雄アルダシル1世は224年にパルティア王を破ると、ペルシア全土を2年かけて征服、226年に王位に就いています。こうしてアケメネス朝ペルシア以来のイラン人の国が建国されました。民族のアイデンティティを宗教に求めたためか、アケメネス朝同様、ゾロアスター教が国教とされました。

 アケメネス朝ペルシアの時代、周囲の民族よりも一早く強大な帝国を築いていたペルシア人は、自分たちこそが優れた民族であると自認していました。ところが、アレクサンドロス3世の遠征で帝国は滅ぼされ、自信も打ち砕かれていました。

 アレクサンドロス3世の巨大帝国が彼の死後に瓦解すると、彼の後継者たちは地中海沿岸地域を巡って争います。その隙に東方では非ペルシア系国家パルティアが勢力を伸ばしたのでした。

 ペルシアにとってはもう数百年の長きに渡り、帝国が異民族に支配されているように感じられていたのです。そこへ現れたのが、アルダシル1世だったのです。彼はペルシア帝国の復興を目指します。

つまり、ササン朝ペルシアは、アレクサンダー大王に征服される以前のペルシアを再興する、と宣言したのだった。これではローマが、黙ってはいられなくなったのも当然だ。
『ローマ人の物語12』

 アケメネス朝ペルシアの最大版図はシリアは勿論、エジプトにまで及びます。エジプトがローマへの一大穀物供給地であることを差し置いたとしても、ローマにはとても認められないことでした。


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ラベル:ローマ ペルシア
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2017年09月03日

ローマ3 ペルシア2 ペルシア神話 肩からヘビの生えた異形の王ザッハーク打倒の物語

 ここでついでにペルシアの神話について触れておきましょう。

 蛇王ザッハークを打ち破る英雄伝承『王書(シャー・ナーメ)』はササン朝ペルシアで成立した物語ではなく、アラブ支配の後に独立を回復したサーマーン朝ペルシアにおけるものです。時代錯誤であるとの誹りを覚悟の上で紹介しておきましょう。なんとなれば、その頃には忘れている自信があるからです。ついでに、『王書』の元になるストーリーは紀元前には成立していましたから、ここで触れてもおかしくは無いはずです(アケメネス朝ペルシアの時にやっておけば良かったじゃないかというツッコミは勘弁してください)。

 以下、青土社の『ペルシア神話 - 』及び東洋文庫の『王書(シャー・ナーメ)―ペルシア英雄叙事詩 (東洋文庫 (150)) - 』を元に、物語を紹介しましょう。

 ゾロアスター神話における最初の人類、ガヨーマルトは全世界を支配する王でした。1人しかいない世界で王も奴隷も無いだろうという気がしますが、王だったと言ったら王だったのです。設計者も建築家も居ませんから、彼の家は山の中です。衣服も食料もガヨーマルトの発見を待たなければなりませんでした。というか、どんな食料であろうと、彼の発見したものが人類として初めて食されたものなのですから、発見しないと死んでしまいますね。

 彼の統治は30年間だったというのですが、その間に神が人類を大量に作り上げたようで、息子に恵まれます。しかし、その息子は黒い悪魔に殺されてしまいます。幸いなことに、ホーシャングという孫が居ました。この孫は、動物と鳥からなる軍勢を率いて黒い悪魔の軍を破ります。

 孫の勝利を見たガヨーマルトは心安らかな中で亡くなり、ホーシャングが王位を継ぎます。そして、ホーシャングの時代に人類は金属と農業と火とを扱うようになります。ということは、ガヨーマルトは全て生物を召し上がっていたということで、寿司好きな私であっても毎食生物というのはさぞ味気なかっただろうと初代の王に同情の念を禁じえません。もっとも、この頃の人類はまだ菜食だったそうです。農業の無い時代、火も無ければ肉も食べられない生活でした。味気ないにも程があるように思ってしまいます。

ペルシア神話 -
ペルシア神話 -

王書(シャー・ナーメ)―ペルシア英雄叙事詩 (東洋文庫 (150)) -
王書(シャー・ナーメ)―ペルシア英雄叙事詩 (東洋文庫 (150)) -


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ラベル:ペルシア ローマ
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2017年09月04日

ローマ3 ペルシア3 神話と宗教1 国民ゼロの国王ガヨーマルト、生野菜を食べながら王国を作りあげる

 以下、青土社の『ペルシア神話 - 』及び東洋文庫の『王書(シャー・ナーメ)―ペルシア英雄叙事詩』を元に、物語を紹介しましょう。

 ゾロアスター神話における最初の人類、ガヨーマルトは全世界を支配する王でした。1人しかいない世界で王も奴隷も無いだろうという気がしますが、王だったと言ったら王だったのです。設計者も建築家も居ませんから、彼の家は山の中です。衣服も食料もガヨーマルトの発見を待たなければなりませんでした。というか、どんな食料であろうと、彼の発見したものが人類として初めて食されたものなのですから、発見しないと死んでしまいますね。

 彼の統治は30年間だったというのですが、その間に神が人類を大量に作り上げたようで、息子に恵まれます。しかし、その息子は黒い悪魔に殺されてしまいます。幸いなことに、ホーシャングという孫が居ました。この孫は、動物と鳥からなる軍勢を率いて黒い悪魔の軍を破ります。

 孫の勝利を見たガヨーマルトは心安らかな中で亡くなり、ホーシャングが王位を継ぎます。そして、ホーシャングの時代に人類は金属と農業と火とを扱うようになります。ということは、ガヨーマルトは全て生物を召し上がっていたということで、寿司好きな私であっても毎食生物というのはさぞ味気なかっただろうと初代の王に同情の念を禁じえません。もっとも、この頃の人類はまだ菜食だったそうです。農業の無い時代、火も無ければ肉も食べられない生活でした。味気ないにも程があるように思ってしまいます。

 人類史から見れば、家畜を飼い始めたのは農業より先のことですから、少なくとも人類史が正しく理解されていたわけではないことが分かります。

 このホーシャングの息子がタフムーラスで、タフムーラスの息子がジャムシードです。彼は王であり、祭司でした。地上の権力も精神面の権力も一手に握っていたわけですね。強力な王だったジャムシードは自ら作り上げた玉座につくと、なんと悪魔を苦役に就かせます。

 人々は働かなくなったそうですが、まるで奴隷の労働に胡座をかいたローマの人々のようですね。

ペルシア神話 -
ペルシア神話 -

王書(シャー・ナーメ)―ペルシア英雄叙事詩 (東洋文庫 (150)) -
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2017年09月05日

ローマ3 ペルシア4 神話と宗教2 英雄ジャムシードは驕ったことからザッハークに王国を奪われ、殺害される

 ジャムシードが自らの功を誇り、自惚れ、創造者と讃えよと命じたことから民に見捨てられます。いつしかジャムシードは疎まれるようになっていたのです。

 ある日、王子マルダースの息子ザッハークの下へ客人が訪れます。招かざる客でした。なんとなれば、その正体は悪魔だったのですから。悪魔は言葉巧みにザッハークに取り入ります。

 悪魔はニワトリに姿を変え、ザッハークに肉を食べる喜びを教えます。それまで菜食だった人類は悪魔のお陰で焼き鳥やステーキ、豚の生姜焼きにジンギスカンといったご馳走を食べられるようになったわけです。ううむ、悪魔万歳といった感じがします。

 更に、悪魔はザッハークの肩にキスします。すると、悪魔がキスしたところから2匹の黒いヘビが現れました。このヘビを切り取っても、新たなヘビが生じます。悪魔は今度は医者に化けると、治療法は各々のヘビに毎日人間の脳を食べさせることだと告げます。

 ザッハークは力を得て、おまけに人々の支持をも勝ち得て王となり、身を隠していたジャムシードを探し出し、ノコギリで2つに裂いて殺害しました。

 蛇王ザッハークの支配は1000年も続きます。1000年という意味は、恐らくゾロアスター教において善と悪の統治が1000年で交代していくという神話を背景にしているのでしょう。その間、毎日2人の人間が殺され、脳がヘビに与えられました。100万人に1人の割合で自然発症するというクロイツフェルト・ヤコブ病の感染が気になるところです。

ペルシア神話 - 』では、彼の治世においては美徳は衰え、妖術が横行したとあります。翌日も太陽が上るようにとせっせと生きた人間から心臓を取り出していたアステカの神官に意見を聞いてみたくなります。

 しかし、ザッハークに脳みそを与える料理人はたまったものではありません。そこで、ある時から一部の若者を救い、ザッハークには人と家畜の脳を混ぜたものを供するようになりました。命を救われた若者は砂漠に逃げ、クルド人の先祖となったと言われます。

 ザッハークの暗黒時代を終わらせたのはファリードゥーンという若者です。夢で自らを脅かす存在を知ったザッハークはファリードゥーンを探そうとしますが、その父や乳を与えたウシは殺すことに成功したものの、肝心のファリードゥーンを殺すことはできませんでした。

ペルシア神話 -
ペルシア神話

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