2017年04月02日

ローマ2 ドミティアヌス5 高地ゲルマニアの司令官サトゥルニヌスの反乱で、ドミティアヌスの猜疑心が高まる

 北方でのこうした動きを利用せんと、ネロ帝を自称する者がパルティアに赴いて援助を要請するという事件が起こります。ネロはローマにとっては暗君でしたが、パルティアにとっては長く戦いを続けた両国の間に和平条約を結んだ親しみを感じる皇帝でした。同僚でさえなければ良い人、といったところなのかもしれません。ともかく、自称ネロはパルティアのこうした感情を利用しようとしたのです。目論見は外れ、パルティアは自称ネロを担いでローマと闘うことを選ばず、偽物をローマに送り返しました。当然、この人物は処刑されています。

 自称ネロによる喜劇を、ドミティアヌスに対する反乱の好機とみなしたのか、高地ゲルマニアの司令官アントニウス・サトゥルニヌスが皇帝を宣して反乱を起こします。この反乱自体は低地ゲルマニア軍が動いたことで、直ちに鎮圧されます。

 このネロを詐称した者と、期を読み誤った者の起こした事件だけであれば、このブログにも書く意義を認めません。敢えてこれを書いたのは、サトゥルニヌスの後釜として高知ゲルマニア軍の司令官に指名されたのがかのトラヤヌスだから、です。もしこのおかしな事件が起こっていなければ、トラヤヌスが精鋭中の精鋭である高地ゲルマニア軍の指揮官に就くことは無く、子の無いネルウァが彼を養子に迎えようともしなかったことでしょう。その場合、もしかしたらシリア総督となったニグリヌスなる人物がネルウァの後継者となっていたかも知れないのです。ニグリヌスについてはまた後に触れることにします。

 サトゥルニヌスが反乱を起こしたのは、ドミティアヌスが属州統治者の不正を憎み、積極的にこうした人々の権限を奪ってきたことにあるのかも知れません。私のような庶民からすれば、統治者が権力を使って裕福になっていくのは異常なことだと思いますので、ドミティアヌスの政策は正しいように思います。

 反乱は鎮圧されましたが、ドミティアヌスの心に宿った猜疑心は募る一方でした。


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posted by 仲井 智史 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ローマ2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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