2016年05月10日

ローマ 建国神話5 サビニ人との戦争の行方

 サビニ人を率いるのはタティウス王です。ユピテルの神域を守るカピトリウムの砦に立てこもってサビニ人の攻撃を防ぐローマでしたが、守備隊長のタルペイウスの娘のタルペイアがタティウスに一目惚れしてしまいます。

 女性が居ないからこそ略奪したのではないかと思わなくもないのですが、タルペイアはタティウスに、自分と結婚してくれるなら砦へ招き入れると交渉します。砦に入ったサビニ人は盾を投げつけてタルペイアを殺害してしまいました。

 ローマには大犯罪者を突き落として処刑していたタルペイアの岩という場所がありました。タルペイアの物語はその起源を説明する物語なのかもしれません。なお、このタルペイア、タルペイウスはエトルリア起源の言葉です。これを見ても、やはりエトルリア人の影響は大なるものがあると分かります。

 砦を占拠したサビニ人はいよいよローマの本隊と戦うことになります。緒戦、ローマ軍を率いるホスティリウスは有利な地を占めるサビニ人に無謀な攻撃を仕掛け、戦死してしまいました。ローマ軍は逃げ出し、改めてロムルスが兵を率いてサビニ人と戦うことになりました。

 両軍は激しく戦います。ローマは必死になって強奪した女性たちを自分たちのものにするため、サビニ人は自分たちの娘や姉妹を取り戻すために。どう見てもサビニ人に理があるわけですが、サビニ人の女性にはまた別の利害がありました。彼女たちにとっては、どちらが勝っても家族を失うことになるのです。夫を失うか、父兄弟を失うか。両軍の間に女性たちが割って入り、戦いを止めてくれと懇願します。

 男が女性の涙に弱いのは今も昔も同じこと。ローマとサビニ人は戦いを止め、ロムルスとタティウスは共同統治することになりました。

 そもそも女性がいないから他所の娘さんたちを誘拐したというのに、タルペイアという妙齢の女性が居るのは矛盾しています。これは執政官の2人制の起源を説明するお話と受け取るのが良いでしょう。共同統治は思わぬ出来事から破綻を迎えます。

 ある時、タティウスは近隣の町からの使者を殺害してしまいます。彼らも黙っておらず、報復を受けてタティウスは殺害されてしまったのです。唯一の執政官、ではなく、王となったロムルスはタティウスの最初の殺人が発端として、タティウスの仇を罰することはありませんでした。

 ロムルスが裏で手を引いていたのではないのかと思わなくもないのですが、唯一の王となったロムルスは優れた軍事的リーダーとしての手腕を発揮して近隣の町に次々と勝利を収めます。

 そんなロムルスの最期は随分と謎めいたものです。河のほとりで神に生け贄を捧げている際、嵐が起こります。祭壇にはロムルスが残り、その周りには元老院議員たちが侍っていました。嵐が収まった時、既にロムルスの姿は消えていたのです。神に召されたと言う者もいれば、もっと合理的な解釈を好み、元老院議員たちがロムルスを殺害して遺体をバラバラに分解し、元老院議員たちが衣服に隠してどこかにやってしまったと唱える者もいます。


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posted by 仲井 智史 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ローマ1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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